プライベート・バンキングの考え方

 

「ヘッジファンド化」する社会

 長引く不況の中、貧富の差が拡大している。

 経済が低迷すれば国全体として富は減少する。しかし、国民が一様に貧しくなっているかと言えば必ずしもそうではない。リストラや事業の失敗で転落するエリートがいる一方、普通のサラリーマンがストック・オプションで「長者」化するなど、貧富の二極化が進んでいるのだ。

 かつて国民の大多数が「中流意識」を謳歌していた時代があった。が、これは日本経済の安定成長に支えられていた。飛び抜けた金持ちになるのも難しかったが、転落する可能性も少なかった。しかし、現在、誰もが常に貧困化の崖っぷちに立たされていると同時に、「富」を得るチャンスもまた手近なものとなりつつある。

 これは、経済が「情報」という無形のものをベースに動いているからである。ヘッジファンドが「価格の歪み」から収益を上げるように、「富」は情報の歪みから生み出される。つまり、価値は情報収集力・創造力のあるところに集中し、陳腐化した情報しか得られない者は必然的に貧困化する。そして、ヘッジファンドがハイリスク・ハイリターンであるのと同様に、社会全体がハイリスク・ハイリターンに傾いているように見える。

 

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