第28条 失踪者が帰還した場合の没収命令の変更、および補償
(1)本条の規定は、次に掲げる場合に、これを適用する。
(a)裁判所が、失踪者である被告人に関して、第9条第4項の規定のために没収命令を下した場合であって、かつ、
(b)当該被告人が失踪者であることを停止した場合。
(2)当該被告人は、次に掲げる旨を主張したとき、すなわち、
(a)問題の決定がかかわる期間において、その関連犯罪行為から得た利得の価額、または、
(b)当該没収命令が下された時点で実現され得たであろう価額が、
当該没収命令に基づき支払いを命じられた価額よりも少ないと主張したときは、裁判所に対し、その証拠を考慮するよう求める申し立てをなすことができる。
(3)裁判所は、当該証拠を考慮した上で、被告人の主張が正しいと認めたときは、
(a)第3条第4項の規定に基づき、新たな決定をなすものとし、また、
(b)すべての事情に鑑み正当と判断するときは、当該没収命令に基づく回復されるべき価額を変更することができる。
(4)本条の規定のために第3条第4項の規定に基づく決定を目的として、裁判所が仮定をなす権限に対する第5条第6項の制限(当該第5条第6項(b)号規定を理由として)は、原価額を決定する際に考慮した関連犯罪行為より当該被告人が得た利得に関しては、これを適用しないものとする。
(5)裁判所は、本条の規定に基づき没収命令を変更する場合は、
(a)当該没収命令の変更により、第11条第1項の規定に基づき課せられた拘禁期間に代えて、本条第3項(b)号の規定に基づき用いられた、より少ない価額に対応する、より短い期間を用いることができ(第11条の規定を留保する)、また、
(b)次に掲げる事由のあるときに、実現可能財産を保有した者の申し立てにより、当該申し立て人に補償を支払う命令を下すことができる。
(@)当該申し立て人が、没収命令の結果として、損失を被ったと裁判所が認め、かつ、
(A)事件のすべての事情を考慮した上で、裁判所が適当と認めたとき。
(6)本条の規定に基づき支払われるべき補償の価額は、裁判所が、すべての事情に鑑み正当であると判断した価額とする。
(7)次に掲げる事項につき、裁判所規則により規定を設けることができる。
(a)本条の規定に基づく申し立ての通知、および、
(b)何人であれ、裁判所が本条の規定に基づく権限を行使することにより影響があると判断する者に対して、裁判所に対し陳述をなす相当の機会を与えること。
(8)本条の規定に基づき支払われるべき補償は、これを政府の歳入より支払うべきものとする。
(9)いかなる申し立ても、没収命令が下された日より起算して6年の期間の終了後になされたときは、本条の規定に基づき、裁判所が考慮することはないものとする。
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